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ゼル伝時オカの世界にロイド君とルークが迷い込んじゃった小説第一章第五話。



テイルズ関連の激しいネタバレと捏造にご注意ください。






   The Legend of ZELDA ~ocarina trio~

        1, 練習曲<エチュード>

          vol.5 月降る夜に







祭が終わり、日も暮れて、月が昇り始めた頃。

コキリの子ども達のおやすみの時間。

もちろん、ロイドとルークが居候(?)しているリンクの家も例外じゃなくって。

昨日と同じく、寝る準備。


リンクが使っている小さなベッドに3人はちょっと無理があるけれど、幸いリンクの家にはわりと広いベランダがあるので、そこまで毛布をひっぱって行く。

屋外で寝るのはちょっとアレだけど、野宿とかで外でザコ寝は何度かやった事があるし、時にはヒドい状態で夜を迎えた事も何度かなくはない。それにここ、地面から離れた高いところだし。





でも…

いや、だからこそ・・・



「なぁ、灯りつけようぜ?」

そう言い出したのはルーク。


暗い中足を踏み外し、下からはしごを上って来て生還(笑)したばかり。ついでに言うと彼は、昨日も油断してベランダから落っこちている。一応手すりがあるのに落ちるなんて器用な。


落とし穴とか掘ったら見事に引っかかってくれそうだ。



・・・ちょっと悪いけど。




「暗くて何も見えねーよ」


「そうか?今日は天気がいいからまだマシな方なんだけど」

「なんだよ、月明かりもけっこう良いもんだぜ?」

ロイドまでリンクに続く。


確かに、良い月だけど・・・

月昇るまで、けっこう暗いぞ?



何でもコキリの民は、その種族柄火を使わないのがならわしで。当然、太陽が昇らない夜にでも灯りを求めて火をつけるという事がないらしい。年中暖かいらしいのでその必要がないのも理由のうちだろうが。


コキリ族ってすげえ。

ルークの感想。


リンクにとっては当たり前の事だけど。こう言われてみると何だか新鮮でおもしろい。


森のソトも、こんな風なんだろうか。


そんな考えがふと浮かんで








「2人とも、明日この森出て行くんだよな…?」





 リンクがぽろりと口にする。


「そっか、そう言う約束だったもんな」


祭が終わるまで、この森にいて良いという約束。

その祭は、今日で終わりだ。

明日の朝にはこの村を出て、ハイラル城ってところに向かわなければいけない

(何処の誰とも知れない輩が、城に入れるのかどうかは疑問だが…)。


短い間とはいえ、とても楽しかった。

始めは居づらい印象を受けた村ではあったけれど、この2日間でとても良い村なのは分かったから、もっと長く居て、この村の事を良く知りたいとも思う。


それがちょっと、名残惜しい。




「また、来いよな」

リンクが言う。


それが、『らしくない』のは分かってる。

でも


「またここに来て、今度はこの森のソトのこと、色々話してくれよ     この世界を出て行くまでに、でいいからさ」


知りたいんだ。

この森の、ソトの事を。



「そうだな、帰り方が分かっても、もうしばらくはこの世界にいて、この世界を見て回ってみるってのもいいかもな・・・     ロイドは?」

ルークがそう言うのに、ロイドも頷いた。

「せっかく来たのに、すぐ帰るのもなんだしな」


だから、また会おうぜ


そう言って彼は、リンクの頭に手を置いた。



「約束だからな」

ぜったいまた来いよ?


それがまた年相応に、約束を取り付けようとするちょっと悪ガキな子どものイメージそのままで。


生意気だぞこいつとか言いつつロイドが手に力を込めてなで回す。痛いと言いながらでも楽しそうに笑うリンクを見て、我慢できなかったルークがおれも混ぜろと2人にダイブ。

主に立っていたロイドの方に飛びかかる形になり、バランスを崩して倒れる。既に毛布を敷いてあったのが幸いした。

そのあとは誰からともなく笑い出して。


その場のテンションで一言。


「よーし!じゃあ今日は朝まで     

「いや、朝までってお前・・・」

「寝なくちゃ…」


言い出したロイドががっくりと。


「おまえら、変な所でえらいんだな・・・」



ここは夜更かしするところだろ?


さっきまでのノリは何処へやら。





ルークもリンクもまだ子どもだった。


























それからも、たくさん話をした。





ロイドの世界のこと。


ルークの世界のこと。




どっちの世界もすごく大変なことがあって、でも2人とも諦めなかったから。



ロイドはやがて大きな樹になるものを起こして


ルークは真っ黒な未来を追い払って





まだまだやらなきゃいけない事はたくさん残っているけれど、



これから先も、がんばっていかなきゃと


笑顔で言っていた。






オレは、そんな2人がまぶしくて




2人みたいに強くなりたい、と


月の降るような夜の中、考えながら眠りについた。








リンク10歳(イメージ)にルーク7歳。

がんばれロイド17歳。

うっかり最年長という肩書きをゲッツしちゃってますよ彼は。


ふたつみっつ差なら分からなくもないけれど、さすがに七〜十歳差は分からない世界になります。


ジェネレーションギャップ恐るべしです・・・

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自称誤字脱字常習犯。
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