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前に書いたOratrio(仮)の続き

chapter 0を読まなくても大丈夫な始まり方ですが、前の章が気になる方は


Oratrio(仮) chapter 0       a prologue


でどうぞ。


すぐに読み始めるという方は下の続きからどうぞ



Ancient Memories series Part 1.
Oratrio (仮)   the first movement ~"Tribes"~

    ・ chapter.1 ……… the Devil







遠くから詩がきこえる


遠き日に唄われた詩


その詩は 空白のときをまといて


樹々の間を吹き抜ける


かつて詩を紡いだ主を捜して


失われた言の葉を


再び呼び覚ますように……










  C.W.(冷戦期) 7295 流水の月          






小鳥の鳴く歌声に青年はゆっくりと目を開いた。

ぼやける焦点がゆっくりと合っていく先に見えたのは、木を寄せ集めて造られた木造の天井。

壁の隙間からは光が漏れている。



朝だ。



青年はだるそうに体を起こした。

すぐに顔をしかめ、額に手をやる。


いつもの頭痛と軽い目眩。

生来の低血圧もここまで来ると鬱陶しい。

振り払うように何度か顔を動かしながら、それが治まるのを待つ。



雲より白い真白の髪。

長く尖った耳。

両の頬には2筋の紅いアザ。

目の紅を縦に割る瞳孔。

指には黒い爪。


青年は鬼人<デビル>と呼ばれる種族だった。


歳は見た感じで17、8くらいだろうか。

彼等の寿命は人のそれの約4倍と言われているので、見たままの彼の歳を推測するならおそらく70歳前後という事になる。



ようやく頭痛が治まって来たところでベッド脇の大きな窓のカーテンを開ける。


朝を象徴するように、まだ幽かに残る朝靄の向こうから鳥達がうたう声がきこえる。


窓から見えるのは


森の中にある素朴な里の風景。

湿気の多いこの地方特有の、高床式の家々。(もちろん彼の家も同じ造りだ)

里を一回りする石造りの水路は整えられ、遠くの方で洗濯をする者の姿も見える。


見慣れた家。

見慣れた景色。

いつもの朝のほんのひとときの眺め。




心地良い空気に伸びをひとつして、彼は眼下でうごめく気配に気付いた。


窓から身を乗り出し、気配の正体を探る。

とたんに風を切る音がして、何かが彼の顔目がけて飛んで来た。

普通ならそのまま顔に当たるところだろうが、彼は左手で器用にそれを受け止めた。



「ナイスキャッチ、エオルス」



下で、おそらくは石を投げつけたであろう鳶色の髪の青年が手を振っていた。




(c)Fuuma Tatsuba/Ancient Memories



続きはまた今度

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