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久しぶりに小説更新できました。

第一章二話目です。


  ●前の話から読みたい方はこちら

    → Oratrio(仮) chapter1       the Devil 01


  ●そのまま進む方は下へどうぞ



Ancient Memories series Part 1.
Oratrio (仮)   the first movement ~"Tribes"~

    ・ chapter.1 ……… the Devil 02






「パティオか」


 危ないだろと言いながらエオルスと呼ばれた青年は、石を投げ返した。

歳はエオルスと同じ17、8歳(見た目)くらいだろうか。

彼と同じように尖った耳、紅い瞳、そして指には黒い爪。

ただしパティオという青年の方のアザは、2筋目がくの字に折れている。

ダークブラウンの髪から、十センチくらいの角が見える。


「何の用だこんな朝から?」

そこで、人のものではない鳴き声が聞こえてくる。

    ウィルまで」

今まで家の陰にでもいたのだろう。体長二m半はある白い体の竜がふいに現れた。

二本の尾がぱたぱたと上下する。

大きな二本の脚で地を駆ける、レグラゴルという種類だ。

本当なら竜小屋にいなければならない筈なのだが。


「勝手に連れ出すのは規律違反じゃないのか、第2支部隊長?」

「ちぇ、せっかく起こしに来てやったのにそれはねえだろ?第一、こいつはおれが来た時にはもうお前んちの下に陣取ってやがったぜ。ウィルに関しては完璧にお前の責任だ。」
 
 昨日しっかり小屋の鍵掛けたのか、隊長補佐官殿?

そう言われてしまうと頭に手をやって項垂れるしかない。

「・・・また、やったのか」

そう、ウィルの方をため息まじりに見れば、楽しそうなウィルの声。

どう見ても反省の色はない。


「だめじゃないかちゃんと小屋にいなきゃ!」


 クルル?       なんで?


毎度の事ながら、脱力するしかない。

その様子を見て、はははと笑うパティオ。


「レグラゴル相手にムキになるのもいいけどな、お前、今日何の日か忘れてんじゃねえの?」

「いつもみたいに偵察、じゃないのか?」

「やっぱり、忘れてんだな」

 おいおいしっかりしろよ?   

「王都から使者が来るかもしれねえから、いつもより早く来いって召集かかってただろ!   お前70にもなってその低血圧っぷり何とかしろよな」


 ※彼らの成長速度は人間のそれの約4分の1。平均寿命は大体300歳くらいです。


「そろそろこの里も、後がねぇんだからさ」
 

おれたちがしっかりしねぇと。
 

そうこぼしたパティオから、ふざけた調子が消えた。

エオルスも、顔を伏せる。

「わかってる」

「先に行ってるから、早く来いよ、イオ」

「ああ」

踵を返し、朝の里の向こうに消えたパティオを見送ってから、エオルスは窓際から離れ、着替え始めた。


袖のない黒いインナーの上に、白い帯紋様の入ったダークブルーのミスリル。

カクカクとしたラインの入ったグレーのパンツ。

土色のブーツ(この気候では少々遠慮したいところだが、そうも言ってられない)。


 クルウ?       まだ?


外から、待ちきれなくなったらしいウィルの声が聞こえる。

そのレグラゴルが見上げる家の、出入り口らしいところにかかった布の向こうから、


「今、行くよ」


紅いバンダナを締め、右腰にロングソードを下げたエオルスが出て来た。


丁度吹いてきた風が、白い髪を撫でて行く。








++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++










 冷戦期末期


この時代 世界は大きく分けてふたつの勢力が存在した。



ひとつは北に

鬼人<デビル>はもちろん、

死族<デッド>、獣族<ビースト>、幻族<イリュース>の四大種族からなり、

冥王が統べる   悪魔族<ヘルスト>の領域



ひとつは南に

精霊族<スピル>や翼人族<フェザニス>、

妖精族<フィーデム>や小人族<ニーフ>、巨人族<タイタニア>等、

創造神<ネイチュレス>等が統べる   聖天使族<フェルピンス>の領域



前時代まで、両者の間に、表立った対立はなかったものの、

この冷戦期に入ってからの7千年間、陸海空と幾度かの戦闘を繰り返していた。


主に北方種族からの奇襲的な侵略が主立った開戦の仕方だったが、どれも局部的なもので、

両勢力の長たる冥王や創造神<ネイチュレス>の関与はほとんど無きに等しかったとされる。





  だが








  C.W.7265




 今から30年前


北と南の狭間の地で、それは起こった。







 『精霊族<スピル>の手による、とある鬼人<デビル>の殺害』




字面にすると、当時としては何の変哲もない、ありふれた出来事の筈だった。



 命をおとした鬼人<デビル>が、彼の民の『英雄』であった事を除いて



それまで幾度か起こった大戦に、他の悪魔族<ヘルスト>   死族<デッド>や獣族<ビースト>、幻族<イリュース>は深く関り、『戦雄』と名を残す者はいたが、残る鬼人<デビル>だけは、大戦に参加した事がない。



     彼らの中の、政の『英雄』の死。



この事件に、冥王がついに怒った。


『我等悪魔族<ヘルスト>が祖民、鬼人<デビル>の英雄を討つとは何たる不届きか』と


そして失意に暮れる彼の民に償うべく、

『創造神<ネイチュレス>『第三の女神』エルフィリア・ネイチュレスの命を差し出せ』と。



当然、神族<アマル>がこの理不尽な要求をのむ訳がない。




南側の者達から沸き起こる非難の声。


その声に返すように響く、北側の者達怒りの声。







かくして戦の始まりを告げる鐘の音は、世界に高々と響き渡った。







戦の名は 『神冥戦争』


 後の世に 冷戦期最後の聖戦と呼ばれ、讃えられる事になる。
















        とおい昔の とある時代     

     世界を揺るがす 物語…        














……今度目次を作ります。

面倒だから。(早)

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